なぜ貯金箱は豚なのか

貯金箱というと、豚の形のものはいつも定番としてありますね。なぜ豚なのでしょうか?古くから日本では縁起物と言われるものに招き猫や大黒様、宝船などがありました。縁起物とは「良いことがあるようにと祈る品物」のことで、商売繁盛、家内安全、子孫繁栄、招福祈願、厄除祈念などなどあらゆることが対象です。縁起の良いものを傍に置いておくと、福が寄ってくるという言い伝えから、今でも置物や貯金箱にも使われています。日本だけではなく、海外でも縁起物といわれるものはあるようです。ウサギの足や煙突掃除屋、蹄鉄などのほかピンクの豚というのもあります。どうも日本とはずいぶん違いますね。


尼崎の「世界の貯金博物館」には世界最初のブタの貯金箱の複製というものも飾ってあるようですが、写真を見ると現在よく見られる胴の膨らんだ丸く可愛くデフォルメされた形よりも、もっとリアル感がありますね。ブタの貯金箱は14世紀ごろから現れ、ヨーロッパ全土に普及したのは、19世紀になってからと言われています。


なぜ豚なのかと言えば、いろいろな説があるようです。豚は子供を一度にたくさん産むし、肉だけでなく皮などあらゆる部分が利用される有用な価値の高い動物である、ということから福を生む縁起物として貯金箱に採用されたという説。中世のヨーロッパでは「ピッグ(pygg)」と呼ばれるオレンジ色がかった粘土で食器が造られていて、主婦たちはこれで造られた水差しなどをコインを貯めるのに利用していたそうですが、これがいつの間にかpyggがpig(豚)に変化して、現在の豚の貯金箱になったという説。さらには「pyggで貯金箱を作ってくれ」と頼まれた陶芸職人が、間違ってpig(豚)の貯金箱を作ってしまったが、依頼した人が気に入ってしまった、というウソかホントかわからない説まであります。


いろいろな説があるものの、豚型の貯金箱は現在でも世界中で親しまれています。イスやテーブルなど、家の中のインテリアが洋風でモダンになってきている現在、やはり大黒様の貯金箱よりは、丸くデザインされた薄いピンクの豚型のほうを置きたくなりますね。